人類誕生から私達は体や心の進歩をたどってきました。

人類が自己意識を持つようになったのは、30万年ほど前だとされていて、 人生のはじめには胎児、乳児、幼児経験を繰り返すのは、多くの場合3歳の頃に、単純意識の状態から自己意識の状態へ変わるのを経験するためなのです。

そして、自分と外界を区別できるようになり、誇りと恥、敬意、希望、愛と憎しみのような感情、抽象的な思考やユーモアの精神などを身につけるようになります。

アダムとイブがリンゴを食べる話は、人間が自己意識に達することのたとえだと、バックはこの著書の中で書いています。

一方、人類の大方は、まだ宇宙意識の状態には達していないので、森羅万象に満ちている生命や秩序などを実感することができずにいます。

これらを実感するようになった時に、人生に対する信頼と強い幸福感、自然との一体感、揺らぐことのない心の安定、押しつけでない高度な道徳意識などが自然に身につくとされます。

これらが、本来の意味での「スピリチュルな進歩」と密接に関連していることにお気づきになることと思います。

◆宇宙意識の状態に達するためには

私たち個人が、宇宙意識の状態に達するためにはどのようにしたらいいのでしょう

ひとつには、仏陀、イエス、プロティヌス、ダンテ、フランシス・ベーコン、ヤコブ・ベーメ、ウイリアム・ブレイク、バルザック、ホイットマンなど、宇宙意識を体験した人たちの残した言葉や文章に、できるだけ多く接するのがよいと、先ほどの本でバックは語っています。

また、人類の内面の進歩が進み、多くの人が宇宙意識の状態に達したとき、個人と宇宙(神)をつなぐ聖職者が必要とされなくなり、現在ある宗教は姿を消すだろうと彼は述べています。